WSL1+ubuntuにIGVをインストールしてみた
今回はWindows Subsystem for Linux (WSL1)上のUbuntuにcondaを使ってIntegrative Genomics Viewer (IGV)をインストールする上でつまずいたポイントをまとめます。
対象者
環境
- Windows10
- WSL1
- Ubuntu 18.04.2 LTS
- miniconda
- IGV 2.9.5
目次
事前準備
以下の2つはできている前提です。
エネルギーがあればいつか記事にします (遠い目)
IGVのインストール
condaで簡単に導入できます。 今回は扱いませんがigvtoolsも同様にbiocondaからインストールできます。$HOMEにigvのディレクトリが作成されます。
$ conda install -c bioconda igv
インストールが完了したら、コマンドライン上から起動してみます。
$ igv
ただし、ディスプレイ設定 (GUI)なしにigvを起動しようと、以下のようなエラーが出るかと思います。
ERROR [2021-05-27 21:52:08,482] [DefaultExceptionHandler.java:42] [main] Unhandled exception java.awt.HeadlessException: No X11 DISPLAY variable was set, but this program performed an operation which requires it.
ディスプレイ設定を行いましょう。
Xサーバー「VcXsrv」によるGUI環境構築
WSL+UbuntuではデフォルトでGUI環境がインストールされません。そのため、IGVが起動できなかったわけです。
通常、LinuxでGUIを実現する場合、一般的には「Xサーバー(X Window System)」を用いてGUI環境を構築します。
Windows OS上で利用できるXサーバーはいくつかありますが、今回は無償 (GPLライセンス)で使用できる「VcXsrv」を選びました。
WSLを動かしている Windows上で、公式サイト「VcXsrv Windows X Server」から、インストーラーをダウンロードします。
ダウンロードしたインストーラをダブルクリックし、手順通りにインストールします。「Select the type of install」はfullにしました。
デスクトップにできたショートカットなどからVcXsrvを起動します。いくつかウィザード画面が出てきますが、基本的にデフォルトのままでいいかと思います。
WSL+Ubuntu上でもディスプレイ表示のための設定を行います。
$ sudo vim ~/.bashrc # 以下を追記します。 $ export DISPLAY=:0
そして、VcXsrvを起動させた状態で、WSL+Ubuntuのigvを起動させてみましょう。
$ igv
VcXsrvにigvが表示されるかと思います。その後、初期設定ではレファレンスゲノムとして、hg19を自動でダウンロードする思います。
ただし、社内ネットワークなどの場合にはうまくダウンロードされないかもしれません。
実はigvにもプロキシの設定ができます。設定しましよう。
IGVのプロキシ設定
VcXsrv上のigv上で、menu View > Preferences > Proxyタブへと進みます。
プロキシ情報を書き込んで保存しましょう。
リファレンスゲノムをダウンロードできるようになりました。
最後に
これでようやくIGVを動かせるようになりました。どなたかの役に立てば幸いです。
また他にも変異解析のための環境構築について紹介していきたいと思います。